TEDに真似ぶ英語フレーズのレッスン(#1):TED’s Secret to Great Public Speaking by Chris Anderson

プレゼンテーション

『TEDに真似ぶ英語フレーズのレッスン』では、完成度が高いことで知られるTED Talksのプレゼンテーションで実際に使われているフレーズを学びます。TEDはプレゼンのプロたちが事前に練り上げた表現の宝庫であり、英語学習者にとってはまさに「最高のプレゼンフレーズ集」。その中でも広く応用がきくおすすめフレーズを10個厳選してご紹介します。学ぶことは真似ること。TEDのプレゼンターが使う表現を自分のレパートリーにしてワンランク上のプレゼンターを目指しましょう!

今回のターゲットTED

今回のTED

Secret to Great Public Speaking
by Chris Anderson

こちらの短い動画ではTEDのcurator(管理人)であるChris Andersonが、効果的なプレゼンテーションをするためのヒントを教えてくれます。最初から最後までわかりやすく思わず引き込まれてしまうようなスピーチには「流石!」とうなってしまうこと間違いなし。

まずは全体の流れとメインメッセージを理解するために、一度動画を見てみてください(できればsubtitlesなしで)。その後一緒に彼の言葉遣いに注目していきます。

Are you ready? Let’s goo!

今回のTEDから真似ぶ英語フレーズ10選

流石Chris Anderson、最高にロジカルでわかりやすいスピーチでしたね。

一つひとつのポイントの説明もくどくどしておらず端的。言いたいことがスーッと頭に入ってきます。

そんなChris Andersonが使っていた言葉の中でも使い回しがきく、今すぐ真似したいフレーズ10選がこちらです。

Some people think … (and explain how it’s not true)
「・・・と思う人もいます(が)」(と言った後それが事実でないことを説明)

あなたのスピーチのトピックに関して広く誤解があるときに使えるフレーズです。

“Some people may/might think …”のように、”may”や”might”をいれて使うことも多いです。

また、”think”の代わりに”say”や”believe”など他の動詞を使うこともあります。

Some people think if you live in an English-speaking country, you will instantly become fluent in English, but that’s not true.”という風に、「一般的にはこう思われているが、実は違う」と指摘したいときに使います。

今回のTEDでは、

Some people think that there’s a TED Talk formula. (…) No. That’s not how to think of a TED Talk.”

とされており、TED Talk用の決まった型があると思われがちだが、実はそうではないことが述べられています。

But there is one X that …  and I would like to share that X with you.
「でも、ひとつだけ・・・なXがあります。そちらを皆さんとシェアしたいと思います。」

“There is one characteristic that is necessary to be a great leader”や”There is one group that stood out”のように、Xとthat節でプレゼンのテーマとなるひとつの事柄をほのめかします。その後に、「このプレゼンでそのXをあなたに(こっそり)お教えしますよ」と相手が気になるように伝えるのがこのフレーズです。

TEDでの例:

But there is one thing that all great TED Talks have in common, and I would like to share that thing with you.

Let me show you what I mean.
「どういうことかお見せ(ご説明)しましょう。」

大きな、時にアブストラクトなアイディアを紹介した後に、具体的な内容の説明に入るときに使えるフレーズです。

“Show you”の代わりに”explain”を使って”Let me explain what I mean”と言ってもいいですが、”show”を使うとオーディエンスが視覚的に理解できるよう、ストーリーや例、視覚資料などを使って「見せる」という意味合いが出ます。

TEDでの例:

Your number one task as a speaker is to transfer into your listeners’ minds an extraordinary gift — a strange and beautiful object that we call an idea.(大きなアイディア)

Let me show you what I mean

Here’s Haley. She is about to give a TED Talk and frankly, she’s terrified. (…)(例)

最初に抽象的なアイディアを述べた後に、”Let me show you what I mean”と言っています。

そしてそのアイディアをより明確にオーディエンスに伝えるため、その後約30秒間、Haleyという女性の具体的なストーリーが語られます。そのストーリーを聞いて、オーディエンスは最初の1文で示された大きなアイディアの意味を理解するわけです。

つまり、”Let me show you what I mean”は、これから詳細をお見せしますよ、というオーディエンスへのシグナルの役割を果たすと言えます。

Let’s take a look at X for a moment.
「ちょっとXを見てみましょう。」

“Let’s take a look at X”も英語プレゼンで非常によく使われるフレーズです。

Xにはgraphやchartといった図表の種類を入れて”Let’s take a look at this graph”と言ったり、図表が示す内容を入れて”Let’s take a look at how the number of X has changed over time”と言ったりもできます。

TEDでの例:

Let’s take a look inside Haley’s brain for a moment.

ここでは “inside”が使われているため、”look at”ではなく “look inside”となっています。動画ではモデルを用いてHaleyの脳内に入っていく様子が映し出され、文字通り”look inside”できるような仕掛けになっています。

But wait — what is a/an X anyway?  Well, you can think of it as
「でもちょっと待って。Xってそもそも何でしょうか?○○という風に考えるといいでしょう。」

話をどんどん進めていく前に、ちょっと立ち止まって基本的な質問に戻るときに使えるフレーズです。

とは言ってもRhetorical question(修辞疑問)であって、オーディエンスから答えを期待しているわけではありません。自分から答えを言ってしまう前に、オーディエンスに考えてもらい興味を惹くために、質問の形でトピックの提示をしています。

“But wait”は慣れるまでさらっと自然に言うのが難しいかもしれませんが、「疑問形+anyway?」は広く使えます。”What is X anyway?”と定義を問う質問だけでなく、”Why do we need a different approach anyway?”と、ある行為のそもそもの意義を説明したい時にも使えます。

そして答えを提供するときには、”It is …” と言ってもOKですが、”you can think of it as …”と”you”を使うことであなた(オーディエンス)のことを気にかけていますよ、という気持ちが伝わり、メッセージに親密度が増します。

TEDでの例:

But wait — what is an idea anyway?  Well, you can think of it as a pattern of information that helps you understand and navigate the world. Ideas come in all shapes and sizes, from the complex and analytical to the simple and aesthetic.

Here are just a few examples … 
「いくつか・・・の例を見てみましょう」

例を紹介するときに使えるフレーズです。

“Here are just a few examples of how our services can help your business”や”Here are just a few examples that illustrate my point”といったように、”examples”の後にどんな例なのか短い説明を付け加えることで、オーディエンスはどんな情報が次にくるのかを知り、心の準備をすることができます。

TEDでの例:

Here are just a few examples shared from the TED stage

この文は上の5の最後の部分:”Ideas come in all shapes and sizes, from the complex and analytical to the simple and aesthetic.”につながっています。

つまり、「アイディアが複雑なものから分析的なもの、単純なものから美しいものまで、様々な形や大きさがあること」を示すために、”a few examples shared from the TED stage”を使って説明してくれるということがわかります。

Here are [number] X’s for …: One, … Two, … Three, … Four, ….
「・・・のための[いくつ]のXをお教えします。1つ目、・・・。2つ目、・・・。3つ目、・・・。4つ目・・・。」

スピーチのサブポイントを紹介する直前に使えるフレーズです。

このようにして最初に「いくつあります」と言ってしまうことで、スピーチの構成が一気にわかりやすくなります。

“Here are five steps for effective goal setting”や”Here are three things you should do every morning”といったように、その部分を聞いただけで続きにどんな話が来るのかが明確にわかるようにするのが重要です。

TED中の例:

So if you accept that your number one task as a speaker is to build an idea inside the minds of your audience, here are four guidelines for how you should go about that taskOne, limit your talk to just one major idea. (…) Two, give your listeners a reason to care. (…) Three, build your idea, piece by piece, out of concepts that your audience already understands. (…) Four, here’s the final tip: Make your idea worth sharing.

ここがずばり今回のスピーチの肝の部分ですね。

“Here are four guidelines …”を聞いた瞬間、”TED’s Secret to Great Public Speaking”というタイトルに惹かれてやって来たオーディエンスは、知りたい情報がその直後に開示されるのがわかります。

さらに1から4までのポイントのそれぞれはシンプルな要約文で始まっているので、理解しやすくまた記憶にも残りやすいです。

Here’s the final X.
「最後のXです。」

7のように最初に「[いくつの]Xがあります」と伝えてから、ポイントの説明に入りますね。そして最後のポイントに来たらこのように、”Here’s the final X”と言うことでスピーチの構成がますますはっきりします。

TED中の例:

Four. Here’s the final tip.

ただ”Four”と言ってもOKですが、”final”という言葉を使うことで「これが最後ですよ」ということが強調されるので、オーディエンスも気を引き締めて聞くモードに入ることができます。

When [someone] wanted to explain X, she said, “….”
「[人]はXをこんな風に説明しました:『・・・』。」

こちらのフレーズは特に「プレゼンのフレーズ」という訳ではありませんが、ノンネイティブスピーカーはあまり使わない表現かなと思い選んでみました。

「誰々が○○を説明するためにこんなことを言った」と言いたい時、”[人]said, ‘…’ to explain X”という表現はパッと思いつくのではないでしょうか。

もちろん”to”や”in order to”を使ってもOKですよ。ただ”When [someone] wanted to explain X, she said, …”のいいところは、”to…”や”in order to …”よりも文が分断されているため、より口語的に聞こえるということです。

プレゼンは話し言葉なので、論文で使われるような複雑な文法や長い文、堅苦しい言葉遣いをすると違和感が生まれます。また口語的な表現を使うことでオーディエンスにとってはスピーカーと「会話をしている」感覚になるので、rapport(信頼関係・親密さ)が形成されやすくなります。

自分の話し方が固いとお悩みの場合は、こんな風に文を分断する心がけをしてみてください。

TEDでの例:

For example, when Jennifer Kahn wanted to explain the incredible new biotechnology called CRISPR, she said, “It’s as if, for the first time, you had a word processor to edit DNA. CRISPR allows you to cut and paste genetic information really easily.”

By that, I mean …
「どういうことかというと」

今回のレッスン最後のフレーズは、定義をする時に役立つフレーズです。

まず何か述べた後に、”By that(先行する文・ポイント・単語), I mean …” 「それによって私が言おうとしているのは・・・です」と説明を付け加えます。

オーディエンス側から見てみると、最初の説明が複雑だったり抽象的だったりして完全に理解できなかったとしても、このフレーズを聞いた瞬間「これからもっと説明をしてくれる」と安心して聞き続けることができます。

TEDでの例:

Make your idea worth sharing. By that I mean, ask yourself the question: “Who does this idea benefit?” 

“Idea worth sharing”はTEDのキャッチフレーズでもあり、オーディエンスに絶対納得してほしいところですよね。Chris Andersonは”By that I mean”と言った後に、どんどん説明を膨らましていきます。この部分を聞き終わったとき、オーディエンスは4つ目のポイントである”Make your idea worth sharing”の意味だけでなく、「TEDとは何ぞや」というTEDの根本的な意義までも理解できてしまうという、計算し尽くされた展開でした。

次のステップ

Chris Andersonが実際に使ったフレーズを学んだところで、もう一度動画を見てみてください。

話の流れがますます見えるようになっていると思います。

そして、上の10個のフレーズの中から自分のものとしたいフレーズを3つ選んで、実際のプレゼンテーションで使いたい文を書いてみてください。例文も参考にしていただければうれしいです。

このステップを踏むことが真の「学び(真似び)」につながります。

コメントにあなたの文を残していただけばチェックいたします!

まとめ

いかがでしたでしょうか。

このように個々の表現に注目してみることで、TEDをより深く理解し味わうことができます。

さらにTEDで実際に使われたフレーズを自分のレパートリーに加えていくことで、あなたのプレゼンテーションや話し方をさらにスマートで自然で洗練されたものにアップグレードすることができます。

これからもTEDをスキルアップにどんどん活用していきましょう!

取り上げてほしいTEDのリクエストなどがありましたら、お気軽にメッセージを送ってくださいね。

Keiko
Keiko

Thank you for joining me! See you next time!

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