一言ままフレーズLesson#4: プロフェッショナルな場で”How are you?” と聞かれたときの”I’m fine, thank you. And you?”以外の答え方

コミュニケーション

一言ままフレーズLessonにようこそ!英語コミュニケーション講師のKeikoです。

『ままフレーズ』は一語一語に分解せず、かたまりで「そのまま」覚える英語フレーズです。英語ネイティブスピーカーの発言の多くは『ままフレーズ』で成り立っています。そのため『ままフレーズ』のレパートリーを増やすことでfluencyがグンとアップし、言いたいことが的確にスラスラと口をついて出てくるようになります。

「一言ままフレーズLessons」ではネイティブスピーカーがプロフェッショナルの場で実際に使う英語フレーズを厳選してお届けします。「英語で仕事がデキる!」ハイパフォーマーを目指し、一緒にしっかり口を動かしてアウトプットをしましょう!

P.S.「一言ままフレーズLessons」はすべて英語で行われます。毎日の生活で英語環境を作るのはなかなか難しいと思います。ぜひ英語脳を活性化し、英語のリスニング力・理解力・スピーキング力を鍛える機会にしてください。

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以下は動画「一言ままフレーズLesson」の日本語解説です。最後に追加のままPhrasesがありますので、そちらもチェックしてくださいね。

今週のTarget Expression

今週の「一言ままフレーズLesson」で受け答えの仕方を学ぶTarget Expressionは:

How are you?

学校英語で習う定番の表現ですね。

でもこれ「教科書英語」という訳ではなく、アメリカに住んでいると実際によく聞く+よく使う超頻出表現です。近所の人とすれ違った時・友人と会って会話を始める時・お店で何か注文する時など、いつでも誰とでも使います。

日常会話だけでなくプロフェッショナルな場面でも同じです。朝、職場に到着して上司や同僚と会った時・廊下で誰かとすれ違った時・ミーティングでチームメンバーと顔を合わせた時・クライエントを訪ねて行った時・それから今では当たり前となったZoomミーティングにログインした時など。とにかく人と会う場面で必ず言うのが”How are you?”です。

この”How are you?”について、英語のノンネイティブスピーカーがあまり意識していないことがあります。それは、”How are you?”はあいさつの一部だということです。

どういうことかと言うと英語のネイティブスピーカーは、”Hi,” “Hello,” “Good morning”といった言葉の直後に”How are you?”をつけます。つまり、”Hi, ○○. How are you?”のひとかたまりをあいさつ表現ととらえます。内容を考えて聞く、というよりも、人と会った時に”Hi”と同じように自動的に口から出てしまうのが”How are you?”なのです。

これは受け答えをする際に大事な情報なので覚えておいてください。

“How are you?”と似た他の表現には:

  • How are you doing? 
  • How’s it going? 
  • How are things?
  • How’s everything?

などがあります。

いずれもよーく使われる表現です。

1日の中で何度も、顔を合わせる人おそらくみんなから言われる”How are you?”、適切な受け答えをしたいですよね。まずは避けたい「日本語脳的な受け答え」から見ていきましょう。

日本語脳的な受け答え

日本人なら誰もが学校で習う”How are you?”への受け答え。あなたもきっとご存知のことと思います。”How are you?”と聞かれた時に、思わず言ってしまう答えは何ですか?

“I’m fine, thank you. And you?”

ですよね(笑)。

私も日本で生まれ育ちましたので、もちろん習いましたよ、”I’m fine, thank you. And you?” そしてずいぶん長い間 “I’m fine, thank you. And you?”の呪縛から逃れられず、”How are you?”に対するデフォルトの答えになっていた気がします。その時は考えもしませんでしたが。

日本人の英語学習者って「こう聞かれたらこう言うんだよ」と教えられると、その表現の意味を考えることもなく、なんとなく使ってしまう傾向がある気がします。

ありがとうには”You’re welcome、” お店で声をかけられたら”I’m just looking”といったように。

言語を習いたての時はそれでも仕方がないですし、そのようにして語彙を増やしていくのは会話力をつけるのに役立ちます。ただある程度のレベルになったら、表現の意味やニュアンスに注意を向け、会話の相手やシチュエーションに適切であり、かつ相手に伝えたいことを的確に伝えられる表現を選ぶことが大事になってきます。

それでは、”I’m fine, thank you. And you?”はどんな表現なのでしょうか。

まず、”I’m fine, thank you. And you?”は文法的には間違いではありません。

でも以下の2つの理由で、避けた方が良いと言えます。

  1. 不自然
  2. “Fine”は日本人が思うほどポジティブでなく、rudeともなり得る

まずは、”I’m fine, thank you. And you?”は不自然に聞こえます。ネイティブスピーカーに”How are you?”と聞いて、”I’m fine, thank you. And you?”と返ってきたことがありますか?答えはNoだと思います。せっかくだったら、実際にネイティブスピーカーが使う自然な表現を覚えたいですね。

そして”I’m fine, thank you. And you?”を使わない方が良い理由の2つ目。”Fine”という単語は「悪くはない、平均的、まあまあ」という意味合いがあります。そのため、できるだけポジティブな態度を見せるのが良いプロフェッショナルな場面においては、”fine”という言葉自体が良い選択ではないと言えます。

さらに、”fine”は言い方によっては「大丈夫だからあなたの助けはいりません」というニュアンスになります。例えばお店の人がしつこく「こちらはどうですか?」と話しかけてきた時に、”I’m fine, thank you.”と言って断ることができます。

もしくは不機嫌そうに帰ってきた年頃の娘に対し、「大丈夫?話聞こうか?」と一生懸命話しかける親に対し、”I’m fine!”と言い放って部屋のドアをバタン!なんていうこともあります。「もう放っておいて!」という感じですね。そしてこの例からもわかるように、実は大丈夫ではないけれど、その話題に触れたくないことを暗に示す時にも使います。

つまり、言い方を間違えると相手に失礼になってしまうかもしれないのが”I’m fine”なのです。

できることならもっと自然でポジティブな表現にスイッチした方が良さそうですね。

ではプロフェッショナルの場で”How are you?”に対し、ネイティブスピーカーはどう答えるのでしょうか?

今週の3つの一言ままPhrases

プロフェッショナルな場で”How are you?”に答えるときに頭に入れておくべき2つのポイントがあります。

その2つのポイントとは:

  1. “How are you?”はあいさつであり、質問ではない
  2. 相手に聞き返すのが礼儀

ポイント1:”How are you?”はあいさつであり、質問ではない

上でも説明した通り、”How are you?”は質問ではなくあいさつの一部として自動的に発せられることが多いです。そのため言ってしまえば、”How are you?”と言ってきた相手が、実際のあなたの状態に興味を持っている訳ではありません。だから正直に”I’m not feeling well”とか”I’m upset because my proposal got rejected”などと言ってしまうと、”personal過ぎる”と逆にびっくりされてしまうかもしれません。あいさつなのでさらっと終わらせて本題に入りたいところ。相手の注意を引き過ぎないように、よく使われるポジティブな一言でかわしましょう。

ポイント2:相手に聞き返すのが礼儀

“I’m fine, thank you. And you?”に唯一良いところがあるとすれば、それは最後に相手に聞き返しているところです。「聞かれたら聞き返す」のはプロフェッショナルなコミュニケーションで心がけたいことのひとつ。「あなたのことを気にかけていますよ」というメッセージを送り、相手との信頼関係を築いていくことにつながるからです。もちろん状況によって毎回聞き返さないといけない訳ではありませんが、礼儀正しいrespectful communicationを身に付けたい日本人プロフェッショナルとしては頭に入れておきたいルールです。

以上の2つのポイントを押さえて、プロフェッショナルな場で”How are you?”と言われたときの自然で丁寧な受け答えはこちら:

一言ままフレーズ#1:

Good. How are you?

シンプルですが、これで十分なんです。”I’m fine, thank you. And you?”から抜け出したいと思ったら、まずはこちらを使ってみてください。

一言ままフレーズ#2:

Great. Thank you. How about you?

“How are you?”に対する答えとしては”Good”でも”Great”でもOK。そしてあなたのことを気にかけてくれたことに対し(と言ってもあいさつの一部ではありますが)「ありがとう」という気持ちを伝えたい場合は、”Great”の後にさらっと”Thank you”を付け加えてみてください。最後に、”How are you?”を繰り返す代わりに、「(私のことを聞いてくれたけど)あなたはどう?」という意味の”How about you?”を言えばとても丁寧な受け答えになります。

一言ままフレーズ#3:

Couldn’t be better. How about yourself?

「現在の状況よりも良くはなり得ない」、つまり「最高!」という意味。こちらもプロフェッショナルな場面でよく使われる表現です。”How about you?”の代わりに”How about yourself?”と言ってもいいでしょう。

他にもたくさん表現はありますが、”I’m fine, thank you. And you?”から抜け出すためにまずはこちらの3フレーズをマスターすることから始めていただくといいと思います。動画でご紹介した「おまけままフレーズ」もぜひ使ってみてくださいね。

Extra一言ままPhrases

動画ではご紹介できなかった追加の一言ままPhrasesをご紹介します。

アメリカ人のあいさつと言うと”What’s up?”を思い浮かべるかもしれません。”What’s up?”は実はかなりカジュアルな表現なので、プロフェッショナルな場面で使われることはあまりありません。特に職場の上司や国際会議で初めて会った人などには使わないようにしましょう。でも昔からのラボ仲間やいつも話をする仲の良い同僚など親しい間柄の相手には、職場であっても使ってOKです。また家族や友人との間ではかなり頻繁に使うので、どのように受け答えをしたらいいか、こちらでご紹介します。

“What’s up?”と似たカジュアルな表現には

  • What’s going on?
  • What are you up to?
  • What have you been up to?
  • What’s happening?
  • What’s new (with you)?

などがあります。

これらも”How are you?” “How are things?”と同じで、あいさつの一部として発せられます。そのため詳細な現状をシェアする必要はなく、さらっとかわすのがベストです。

“How are you?”との違いは、”How are you?”など「どう?」と聞いている質問に対しては「いいよ!」と答えるのが自然でしたが、”What’s up?”など”What”のあいさつに対しては、「特に何もないよ」と答えるのが一般的です。以下では「特に何もないよ」を意味するフレーズをご紹介します。

“What’s up?”に答える一言ままフレーズ#1:

Not much.

「特に何もないよ」のシンプルな表現です。

“What’s up?”に答える一言ままフレーズ#2:

Nothing much.

“Nothing”だけでもOKですが、”Nothing much”と”much”を付け足すことで「特に」の意味がプラスされ、やわらい表現になります。

“What’s up?”に答える一言ままフレーズ#3:

Not a lot.

「たくさんのことは起きていない」つまり「特にニュースになるようなこともなく、普通にやってるよ」という意味です。

そして相手に聞き返したい場合は、これらの後に”You?”と付け加えれば、「あなたはどう?」「そっちは?」という意味になります。”What’s up?”と聞かれるのがカジュアルな場面に限られているので、”You?”だけでも失礼にならず十分コミュニケーションが成立します。

“How”のあいさつにはポジティブに「最高!」と答え、”What”のあいさつには「特に何もないよ」と答える。一見矛盾しているように見えませんか?私の意見としては、これらが一番会話の流れを妨げない受け答えだからなのかなと思います。「どう?」に対して「調子がよくなくて・・・」とネガティブな反応をしたら相手はその理由が気になってしまいますし、あなたへの心配が残ってしまいます。「何」に対して「こんなことがあってね」と言い始めたら、もっとその内容を膨らまさないといけなくなってしまいます。あいさつの一部だからこそ、さらっと流せる当たり障りのない受け答えが好まれるのでしょう。

最後にひとつだけ補足です。このレッスンでは、いかに”How are you?”や”What’s up?”があいさつの一部であり、相手の注意を惹かないようなフレーズでさらっと返すのが重要であることを強調してきました。

が、仲の良い相手とだったら、一連の”Hi, how are you?” “Good. How about you?” “Good”の後に、”Is everything going well?” “Well, work has been a bit stressful”などと、実際の状況をシェアするということが起きます。相手が本当にあなたのことを気にかけて聞いてくれている時は”Good”で表面的に終わらせずに、パーソナルな情報をシェアすることで関係性が縮まります。

まとめ

いかがでしたか?

何気ない”How are you?”のやり取りですが、ここをうまくクリアすることで気持ちよくコミュニケーションの次の段階に進んでいける、重要なやり取りとも言えます。今度”How are you?”と言われたら、”I’m fine, thank you. And you?”の代わりに今回ご紹介したままフレーズをぜひ使ってみてください。

See you in the next Lesson

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