一言ままフレーズLesson#3: 職場での依頼・頼みごとを丁寧に断る英語表現

コミュニケーション

一言ままフレーズLessonにようこそ!英語コミュニケーション講師のKeikoです。

『ままフレーズ』は一語一語に分解せず、かたまりで「そのまま」覚える英語フレーズです。英語ネイティブスピーカーの発言の多くは『ままフレーズ』で成り立っています。そのため『ままフレーズ』のレパートリーを増やすことでfluencyがグンとアップし、言いたいことが的確にスラスラと口をついて出てくるようになります。

「一言ままフレーズLessons」ではネイティブスピーカーがプロフェッショナルの場で実際に使う英語フレーズを厳選してお届けします。「英語で仕事がデキる!」ハイパフォーマーを目指し、一緒にしっかり口を動かしてアウトプットをしましょう!

P.S.「一言ままフレーズLessons」はすべて英語で行われます。毎日の生活で英語環境を作るのはなかなか難しいと思います。ぜひ英語脳を活性化し、英語のリスニング力・理解力・スピーキング力を鍛える機会にしてください。

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以下は動画「一言ままフレーズLesson」の日本語解説です。最後に追加のままPhrasesがありますので、そちらもチェックしてくださいね。

今週のTarget Expression

今週の「一言ままフレーズLesson」で受け答えの仕方を学ぶTarget Expressionは:

I was wondering if you could ….
(もしよろしければ~していただけないでしょうか。)

前回に引き続き、今回も依頼への受け答えの仕方を見ていきます。一言ままフレーズLesson2では “Could you …?””Do you think you could …?””Would it be possible for you to …?”など、疑問形をとる依頼表現にフォーカスしました。

でも疑問形の代わりに肯定文の形を使って頼みごとをする場合もあります。Target Expressionの”I was wondering if you could …”はその代表です。

“I was wondering if you could …”を頭にもってくることで、直接依頼内容に入るよりも間接的な表現になります。言葉は直接的に言うよりも間接的な方が丁寧になる傾向がありますが、ここでもそのルールがあてはまり、例えば”Could you proofread this?” (こちらを校正していただけますか?)よりも”I was wondering if you could proofread this”(こちらを校正していただけないかなと思っていたんですが=もしよろしければこちらを校正していただけないでしょうか)と言った方が丁寧になります。

また”I was wondering …”では、考えているのは現在にもかかわらず過去進行形が使われています。これは過去形を使うことで時間的な距離が生まれ、表現がよりやわらかく丁寧になる、という効果があります。

つまり”I was wondering if you could …”は質問前にバッファを置くことで依頼を間接的にする効果と時間的に距離感を生み出し依頼をソフトにするダブルの効果で、非常に丁寧な表現となるわけです。

具体的な依頼の中身には:

  • book something(○○を予約する)
  • reach out to someone(△△さんに連絡を取る)
  • put in an order(○○を注文する)
  • send an invoice to someone(△△さんに請求書を送る)
  • look into something (○○について調べる)

などがビジネスシーンではよく使われます。

肯定文を使って依頼・頼みごとをする他の表現には:

  • If you could …, that would be great. 
  • I need you to …. 
  • I need [Noun].

などがあります。

今回のままフレーズと頼みごとの内容例を組み合わせるとこんな感じに:

例:

I was wondering if you could reach out to Tanaka-san.
(もしよろしければ、田中さんにご連絡をとっていただけないでしょうか。)

If you could book accommodation for the guests, that would be great.
(ゲストの滞在先を予約していただけたらありがたいのですが。)

I need you to put in an order for 100 bottles of hand sanitizer.
(ハンドサニタイザーを100ボトル注文しておいて。)

I need the deck by the end of the day.
(今日の終わりまでにスライドを私に持ってきて。)

“I need you to ….”と”I need [Noun]”は、前回見た疑問形の依頼や、今回のTarget Expressionである”I was wondering if you could …”や”If you could …, that would be great.”などとは違い、かなり直接的な表現です。そのため場合によってはrudeと思われることもありますので、職場では使わない方が無難でしょう。

ただ、これらのままフレーズが依頼を意味することを知っておくのは重要です。上司が部下に課題を与える際によく使う表現なので、あなたの上司もあなたに”I need you to …”と依頼をしてくることがあるかもしれません。その時「あっそうですか」で終わらせないように。あなたに何かしてほしいという依頼なので、応じられるか応じられないかの受け答えで返してくださいね。

さて、仕事の上司や同僚に何か頼みごとをされたとき、それに応じられれば相手も助かりますし喜んでもらえますね。でもあなたもお仕事がたくさんありますし、いつも応じられるとは限りません。断ること自体で信頼関係が壊れることはありませんが、断り方によっては相手に誤解を与え、関係性が悪くなってしまうことはあります。では頼みごとをどうしても断らなければいけないとき、あなたは何と答えますか?

日本語脳的な受け答え

依頼・頼みごとを断る際に、日本人がやりがちな受け答えは…

“No.”

何事もはっきり伝えるのがアメリカ人、と思われがちですが、これは実は誤解です。確かにアメリカ人は日本人に比べれば率直な表現を使うかもしれませんが、相手の気持ちを考えずになんでもかんでもずけずけと言うわけではありません。特にプロフェッショナルな場面においては、仕事の目的を達成することがコミュニケーションの最重要事項です。チームがともに問題を解決し、ゴールに近づくための意見は率直にぶつけ合いますが、チームの関係性を壊すような自分勝手な言葉は避けられます。そのためプロフェッショナルな場でのコミュニケーションにおいては相手を尊重しチームワークを促進する言葉を選ぶことが大切です。こういった理由から、同僚・上司からの依頼に対し、ネイティブスピーカーがぶしつけに”No”とだけ言っておしまい、ということはほとんどありません。

英語で相手の依頼・頼みごとを断る際に覚えておきたいことが2つあります。

1.頼みごとに応じることができなくて申し訳ない気持ちを伝える

2.なぜ応じられないか理由を説明する

この2つのポイントを押さえてプロフェッショナルに依頼を断るとしたら、何と答えればいいでしょうか?

今週の3つの一言ままPhrases

依頼・頼みごとを断る英語フレーズTOP3はこちら:

一言ままフレーズ#1:

I’m sorry, but …

「申し訳ないのですが・・・」と言った後に助けられない理由を付け加えます。

一言ままフレーズ#2:

I’d love to, but …

「あなたのお願いごとにぜひ応じたいのですが、こんな理由でできないんです」という表現です。

一言ままフレーズ#3:

I wish I could, but …

“I wish”が使われているので仮定法であることがわかります。つまり「あなたの助けになれたらいいのですが、(実際には)できないんです。その理由は・・・」という意味です。

この3つとも、さきほど説明した2つのポイント:1)頼みごとに応じられなくて申し訳ない気持ちを伝え、2)応じられない理由を説明する、が押さえられていますね。申し訳ない気持ちを伝えるには、一言ままフレーズ#1のようにそのまま”sorry”という言葉を使ってもいいですし、#2や#3のように”I’d love to,” “I wish I could”などでも伝えることができます。

今回の一言ままフレーズは自分の状況を挿入して文を完成させる「穴埋めままフレーズ」です。ここでは”but”のあとの”…”に理由を付け足してください。

助けられない理由としては、

  • I’m running late for a meeting.
  • I’ve got a presentation to prepare for.
  • I have to finish this report within the next hour.
  • I’m pretty slammed right now.

などが使えます。

今週の3つのままフレーズにこれらの理由を埋め込んだ例がこちら:

例:

I’m sorry, but I’m running late for a meeting.
(申し訳ないのですが、ミーティングに行かないといけない/遅れているんです。)

I’d love to, but I’ve got a presentation to prepare for.
(ぜひお手伝いしたいのですが、プレゼンの準備をしないといけないんです。)

I wish I could, but I’m pretty slammed right now.
(お手伝いできたらいいのですが、今とにかく忙しくて・・・)

これら3つのフレーズのどれかを、「お願いしてもらったのに申し訳ない」という気持ちを込めて言ってみましょう。その後に動画でご紹介したおまけフレーズを使って「今は無理だけどいついつならできますよ」と言えば、相手も理解を示してくれるでしょうし、あなたの都合の良いときに相手の助けになることができます。

Extra一言ままPhrases

動画ではご紹介できなかった追加の一言ままPhrasesをご紹介します。

Extra一言ままフレーズ#1:

I’m currently working on X. If I help you, I will have to put a hold on that.
(今Xに取り掛かっている最中なんです。もしあなたの頼みに応じたら、そちらをストップしないといけないことになります。)

他にもやるべき重要なことがある際に、その事実を率直に伝える表現です。もしXを頼んできたのも同じ相手だとしたら、どちらの方を先にやるべきかプライオリティを再検討して、”Actually, could you get this done first?”と言ってくるかもしれませんし、”That’s right. Don’t worry about it.”と他の人を探しに行くかもしれません。あまり小さな仕事につかうとチームワークのない人と思われてしまいますが、特に相手も知っているような大きなプロジェクトに取り掛かっている場合は、新しい依頼に応じられない理由を理解してもらうのに役立つ表現です。

Extra一言ままフレーズ#2:

I don’t know if I’m the right person for that. Have you talked to …?
(その内容でしたら、私がベストな人材ではないかもしれません。△△さんにはお話ししてみましたか?)

依頼の内容を聞いて、自分の専門外だったり得意とする仕事ではない場合に使える表現です。プロフェッショナルの場ではteam spiritを示すのが大事とお話してきましたが、得意でもないのに頼みごとを受け入れてしまうことは、もしかしたら相手にもチームにも逆にプラスにならないかもしれません。相手の頼みごとを専門とする同僚・自分よりも効果的に遂行できる同僚がいる場合は、その人に頼むことを提案してみてください。

Extra一言ままフレーズ#3:

Sure, I can get to that [when]. Would that work?

(もちろん。[いついつ]だったらお受けできますよ。よろしいですか?)

動画一言ままフレーズLessonのおまけままフレーズとして、後でなら応じられる場合に使えるフレーズをご紹介しました。”I’m sorry, but [reason]. I should have time [when]”と、応じられないことに対し謝罪し理由を述べた後で、いついつならできますよ、と伝える表現でした。

こちらのExtra一言ままフレーズもそれと似ていますが、大きな違いは、こちらでは”Sure”が最初に来ているところです。”Sure”は依頼に応じるときに使う表現でしたよね。”Sure”と言っておきながら、「(今ではなく自分の都合のいい)いついつならできますよ」と言っている。つまり、はっきり「できない」と言わずに今はできないことを伝えられてしまう、便利フレーズと言えます。

まとめ

いかがでしたか?

最初にも少し触れましたが、職場で頼まれたことにはなんでもかんでも引き受けれなければいけないという訳ではありません。忙しいときはどうしても断らなければいけないですし、チームのことを考えると、他のメンバーが引き受けた方がいい場合もあります。だから頼みごとが断わられる可能性があるのは、皆が承知していることです。

でも、断わり方で印象がぐっと変わります。相手の助けになれない訳ですから、依頼に応じることができるときよりも、さらに言葉遣いに気を遣う必要があります。

今回のレッスンでは、相手への尊重の気持ちを伝えながら丁寧かつプロフェッショナルに依頼を断る一言ままフレーズをご紹介しました。よく使う理由をいくつかリストアップして、一言ままフレーズと組み合わせて事前に練習してみてください。純粋に申し訳ないという気持ちを伝え、相手の助けになれる代わりの提案をすることで、相手は理解を示してくれると同時にあなたへの信頼も深まるはずです。

生活の中でぜひ意識的に使ってみてくださいね。

See you in the next Lesson!

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